階段を「どうつくるか」で、家全体の精度をあげる。
家を2階建てや3階建てにする場合、欠かせないのが階段です。
「階段なんて、ただ上の階に上がったり、下の階に下りたりするだけ」
そんな風に考えるのは、少しもったいないかもしれません。
実は、空間を広く見せたり、収納場所や居住空間として使えたり、
家全体のデザインを洗練したりと、さまざまな効果を生みだすことができる階段。
今回は、そんな"階段の魅力"についてご紹介いたします。
画像は、玄関からさまざまな方向へと足を踏み入れることができるマルチアクセスな家。
シューズラックのすぐ奥にダイニングスペースがあり、靴を脱げばすぐにリビング、ダイニング、キッチンへと直行できる設計になっています。
「これでは、玄関からプライベートな空間が見えてしまうのでは?」
そんな風にも感じられるかもしれません。
しかし、玄関とリビングの間に階段を配置することで視界がほどよく遮られ、圧迫感なく、人の視線が気にならない空間になっているのです。
また、階段下のスペースを利用して手洗い場をつくっており、家族の帰宅時はもちろん、来客時もすぐに手を洗ってもらえるから衛生面も安心。
開放感を大事にしつつ、プライバシーや清潔感まで守ることができています。
安全&快適に上り下りできる階段をつくるには、ある程度のスペースが必要になります。
しかし、デザインを工夫すれば、安全性を担保しながら空間をより広く見せることが可能です。
その手段のひとつが、画像のようなストリップ階段。
手すりを細くシャープにすることで階段の段板が浮いているように感じられ、リビングの中にありながらも、圧迫感なくスペースを確保できています。
また、こうしたデザインにすることで、窓からの風景や自然な明るさがしっかりと部屋中に行き渡り、ソファに座りながらゆったりと寛げるようにもなっています。
安全も、快適も、広さも。
すべて重視したい方にオススメのデザインです。
階段の空きスペースを有効に使う方法として主流なのが、収納スペースとして使うこと。
しかし最近では、子ども部屋や書斎など、人が過ごす居住空間として活用するケースも増えてきています。
画像のように、踊り場までの約7段分のスペースを使えば、小さな子どもたちが遊び回るのはもちろん、大人が机に座って作業をするにも十分な高さや奥行きが確保できます。
在宅ワークをする人が増えてきている今、周りの空間と完全に仕切った部屋がひとつあれば、仕事にも熱が入り、よりはかどるかもしれません。
もちろん、こうした空間を広めの収納スペースとして使うこともできます。
ライフスタイルに合わせて選択できるのも、階段下スペースならではですね。
こちらも、リビングに階段を配置した一例です。
真っ白な壁と優しい木の色、窓からの景色が調和し、明るい印象のリビング。
階段が空間の邪魔にならないよう、窓の手前に設置し、壁と同じ白色にすることで、より全体の統一感をもたせています。
また、段板を見せない設計にすることで、階段も壁のデザインの一部として捉えることもできるようになっています。
このように、色を揃え、デザインを工夫することで圧迫感なく、むしろ広がりのある印象を持たせることができるのです。
上と下の階の行き来をスムーズにつないでくれる階段。
今回ご紹介したのはほんの一例ですが、階段という存在に、以前よりも可能性を感じていただけたのではないでしょうか。
上り下りのしやすさや安全性への工夫はもちろん、空間デザインの一部としてもご紹介したい事例がまだまだたくさんあります。
興味のある方はぜひ、お気軽にお問い合わせください。