家族みんなで考えたい、相続と家づくりの話。
家づくりで、家族の未来を話し合う機会を
相続は家族全体の問題。
財産を家族に託す側にも、託される側にも、
そして、その先の世代の子どもたちにも関係してきます。
特にまとまった土地や建物を所有している方や、
実家の両親がこうした不動産を所有している方にとっては、
気になることも多いのではないでしょうか。
しかし、一方で相続は、
よほど仲のいい家族であっても、切り出しにくい話題ですよね。
やはり、誰かしらが亡くなったときを想定した話になりますし、
場合によっては争いの元になってしまうのでは?という不安もつきまといます。
でも、いつかは考えなければならない課題でもありますし、
実際、何の準備もなく、「そのとき」を迎えてしまうと、把握できていない財産の調査や、
金融機関の口座凍結など、いろいろと厄介なことも起きてしまいます。
そこでおすすめしたいのが「相続と家づくりをセットで考える」というアプローチ。
ただ、相続の話をするのではなく、家族みんなで、この先の未来の暮らしを話し合いながら、
税金のことや、資産の運用について話し合う場を設けてみては......というご提案です。
まずは、相続の基礎知識を理解しつつ、
具体的にどう対策していくべきかについて、
家づくりを絡めながらご紹介していきたいと思います。
そもそも、まとまった財産を所有している方は、
「相続するときごっそり持って行かれる」と、
漠然とした不安を抱えているケースが多いのではないでしょうか。
しかし、相続税はすべての人が対象になるわけではありません。
相続税には「基礎控除」というものがあり、
この「基礎控除」を超えた財産を持っていた場合のみ、
課税対象となります。
まずはその計算式を見ていきましょう。
例えば、お父さまが評価額1億円の不動産と、
2,000万円相当の現金・証券・貴金属などを持っていたとします。
相続人となるのが配偶者=お母さまと、あなたと、あなたの弟さんだった場合、
相続人は3名となるので、上記の数式に当てはめると以下の通りになります。
ということで、課税対象額は7,200万円になります。
そして、以下の通り、相続税の税率を当てはめると、
今回のケースは30%となり、2,160万円もの納税が必要となってしまいます。
これだけの資産を持っている家であれば、
なんとかできないこともないかもしれませんが、何の準備もなく突然、
2,000万円を超える現金を用意しなければならなくなる......というのは、
それなりに厳しい状況になるのではないでしょうか。
ここまでは相続税の仕組みを解説するために、仮の計算式を用意してみました。
しかし、そもそも計算式を組もうにも、
自分や自分の親御さんがどれほどの財産を持っているかを把握できていなければ、
話になりませんよね。
特に土地や建物の価値を正しく見極めるには専門家の知識が不可欠です。
では、この場合の「専門家」とは一体誰でしょうか。
多くの人は税理士を思い浮かべると思いますが、
税理士なら誰でも大丈夫かと言えばそうではありません。
税理士業界の中でも、相続は難易度が高い業務とされており、
税理士によってノウハウの差が激しい分野だったりします。
また、不動産鑑定などの知識がないと、不当に高い評価額が付いてしまって、
納税額が跳ね上がってしまう......というリスクもあります。
ということで、まずは、相続対策の実績がある、
不動産関係の専門家と提携している税理士さんを見つけること。
そして、その専門家の知識で、相続の対象になる財産の評価額と、
発生する相続税の金額をしっかり把握しておくこと。
これが重要なポイントになってきます。
さて、仮に、あなたが、
この先発生するであろう相続税の金額を把握できたとしましょう。
それが、支払いが難しい金額だった場合、
どんな選択肢がとれるでしょうか。
まず考えられるのは、土地や建物を処分することです。
ただ、相続する前に不動産を売れば、
その分、現金収入が財産にプラスされてしまいます。
また、それを下の世代の誰かに渡せば、贈与税が発生します。
しかも、その不動産が思い通りのタイミングで売れるとは限らず、
不確定要素が多い選択肢と言わざるを得ません。
そこで改めてご提案したいのが、「新しい家を建てる」という選択肢です。
「ただでさえ税金で大変なことになるのに、なんでそんな大きな買い物を?」
と思われるかも知れませんが、
ここで先ほどの計算式を再び出してみましょう。
ここに、新しい家を建てるために6,000万円のローンを組んだとします。
すると、6,000万円は負債となるため、
課税対象となる資産から差し引かれることになります。
その結果、相続税の納税額は180万円まで減額できてしまうんです。
もちろんこれは、税金の側面にスポットを当てたモデルケースなので、
その後の支払いや、建てた家そのものの相続など、
いろいろな問題も踏まえて、トータルでどちらが得かを考える必要はありますが、
相続対策のひとつとして、「家を建てる」という選択肢は、
十分に有用なものではないかと思います。
今ある土地のこと、建物のこと、新しい家のこと、
家族の未来のこと......少しでも気になることがあった方は、
ぜひ一度、私たちにご相談ください。
必要に応じて各分野の専門家もご紹介できますし、
税金対策から、
ローンのプランニング、設計、デザインをトータルで考えていくことも可能です。
切り出しにくい話題だからこそ、
家族それぞれの立場や気持ちに寄り添った、
未来志向のご提案ができればと思っています。