奈良の魅力をkinotoから。「大安寺」の歴史と魅力。
数え切れないほどの文化財や観光名所がある奈良。
奈良公園や東大寺、法隆寺といった代表的なものをはじめ、
地元の人間だからこそご紹介できる名所やスポットもたくさん存在しています。
kinotoに興味を持ってくださったみなさんに、もっと奈良のことを知ってもらおうと、
ときどき、コラムを通じて"kinoto目線での奈良の魅力"を伝えることにしました。
今回ご紹介するのは、kinotoのギャラリーからほど近い「大安寺」です。
奈良時代、都の中でも特に位の高い寺であることを示した「南都七大寺」
大安寺は、南都七大寺(なんとしちだいじ)のひとつ。
がん封じの祈祷や笹酒祭り、ダルマのおみくじなどで知られ、
ヨガや瞑想といった地域向けイベントも盛んな、親しみやすいお寺です。
敷地内のいろんなところに拝観者の方が置いたダルマの姿があり、
その風景を写真に収めている参拝者の方もたくさんいます。
さまざまな魅力を持つ大安寺ですが、
今回みなさまへお伝えしたいのは、「歴史の奥深さ」です。
ここは、名だたる僧侶たちが若き日々を過ごした場所
歴史の始まりは、聖徳太子が創建した熊凝精舎だと言われています。
その後、百済大寺、高市大寺、大官大寺......と、名前と場所を変え、
平城遷都の時代に、大安寺として現在の場所へ移ってきました。
当時の大安寺は、南都七大寺随一の広さを誇るお寺だったそうです。
約26万平方メートルもの敷地には約90の堂塔が建設され、
そこに弘法大師空海、伝教大師最澄、インド僧菩提僊那など、
887人もの僧侶が暮らしていと言い伝えられています。
弘法大師空海と言えば、真言宗を開いたことで知られる人物。
歴史上の偉人と縁ある場所が身近に存在するのは、
とても奈良らしい醍醐味ですね。
時代と共に少しずつお寺の規模は縮小していったそうですが、
kinotoのギャラリーがある場所も、かつては大安寺の敷地内だったと、
以前、お寺の副住職さんから教えていただいたことがあります。
奈良時代から築いてきた1000年以上の歴史を、その目で見るチャンス
他にも、重要文化財に指定されている仏さまや
70メートルの高さがあった七重塔のこと、
歴代の僧侶たちが供養されている牌についてなど、
さまざまな歴史的エピソードや文化財を持つ大安寺。
その詳細は、実際にお寺へ行って体験してもらいたいもの。
大安寺の風情ある現代の景色をその目で楽しむことはもちろん、
CG映像を通じて、かつての大安寺大伽藍の情景を復元した姿を眺めることもできます。
季節ごとの行事もさまざまなものがあるので、
kinotoのギャラリーへお越しの際は、少し足を伸ばして参拝してみてください。
FacebookやInstagramなどの公式SNSでも、お寺の様子を見ることができます。
また、2023年1月2日〜3月19日には、
東京国立博物館にて特別企画「大安寺の仏像」が開催予定です。
7体の仏さまの姿を、その目に焼き付けられる貴重な機会。
奈良から少し距離はありますが、関東へお立ち寄りの際はぜひ。
きっと、奈良の新しい魅力を知るきっかけになるはずです。
大安寺の仏像が東京国立博物館にてご覧になれます!
大安寺・副住職さまが書籍を刊行されました!