Interview

009. 趣味も、仕事も、生活も。すべて兼ね備えた美しい家

兵庫県宝塚市には、日本初の観音霊場として知られる中山寺があります。厳かな空気に包まれた本堂沿いの通りをすぎ、のどかな住宅地へ。鳥のさえずりに耳を澄ましながら歩いていると、Sさま一家の家にたどり着きます。定期的にヨガ教室も開催しているという日々の様子を、少しのぞかせてもらいましょう。

「好きに自由に、建てていい」。その選択肢が決め手に。

USEDセレクトショップを経営しているご主人と、ヨガアドバイザーとして活躍されている奥さま。それぞれに生業を持つご夫婦が考える理想の暮らしについて、お話を聞いてきました。

「以前はこの近くのマンションで暮らしていました。子どもが大きくなるにつれて引っ越しを検討しはじめましたが、なかなか思い通りにいかなくて。マンションだとそれまでと大きく変わらないし、戸建てを買うにしても、建売住宅のような"間取りが決まったもの"を選ぶのはしっくりこなくて......そんなとき、ちょうどいい空き地があると、義父がこの土地を見つけてくれたんです」と、教えてくださったのは奥さまです。

マンションか、建売住宅か。なかなか決断できないでいた2人が取った第三の選択肢。それが、「土地を手に入れて、自分たちの好きなように家を建てる」だったのです。

「最初は、有名メーカーのサイトを見ていたんです。でも、よくよく調べてみると規定も多く、"何もかも自由にオーダーできる"というよりは"いくつかのパターンから自由に選ぶ"感覚。細かな理想を実現するのは難しいのかと悩んでいたときに出会ったのが、kinotoでした」

SNSで見かけたkinotoのデザインは、Sさま一家が理想とするイメージに近く、すぐにモデルルームへ見学に行くことが決まったそう。初めて行ったその日に「ここにお願いしよう」と決断したと、ご夫婦は当時を振り返ります。

「モデルルームへ行って、"This is NORMAL."という家づくりに関するコンセプトを聞かせてもらって、私たちのライフスタイルについてもぜんぶ聞いてもらって。そのやり取りの中で、kinotoなら信頼できると感じたんです。実際に見た家の雰囲気も素敵だったし、悩むことなく決まりましたね」

家族の生活にしっくりと馴染む、一人ひとりの希望を叶えた空間。

kinotoで家を建てる。そうと決まれば、まずは設計図の制作からスタート。ご主人と奥さま、一人娘のIちゃん、それぞれ希望を話しながら間取りを決めたそうです。

「娘は、自分の部屋が欲しい、秘密基地みたいな空間がいい、好きな色を取り入れてほしい...なんて話していましたね。あと、僕は雑貨や服飾の輸入販売をしているので、仕事ができる場所が家のどこかにあればいいなと思っていました。寝室の奥へと続く屋根裏部屋のような空間が、僕のワークスペースになっています」と、ご主人。

屋根のかたちを活かしたワークスペースでは、実際に販売もされている60〜70年代を中心としたUSEDアイテムがたくさん並んでいます。

心をくすぐるこの場所は、大人も子どもも、時間を忘れて過ごせそうな雰囲気。天井と窓から自然の光が入る設計になっているので、圧迫感もありません。娘さんのお友だちが遊びに来たときは、よくここを秘密基地代わりにして遊んでいるのだとか。

家族の時間も、ヨガの時間も。空間の使い方次第で両立できる。

一方、1階のリビングには奥さまの希望がたくさんつまっているようです。

「せっかく建てるなら、自宅で少人数のレッスンができるようにしたいと思っていました。専用のレッスンルームを設けるというよりは、自宅の一部をときどき使えれば...と話したら、リビングを仕分けて使える設計にしてくれたんです」と、奥さま。

その希望通り、リビングの奥にある襖を閉じれば、それだけでダイニングスペースとレッスンスペースがしっかり区切れる設計になっていました。

また、改めて玄関の方へ目をやると、家に上がってすぐの動線が「キッチン・階段」と「リビング」の二手にわかれていることに気づきます。これは、レッスン中に家族と受講生の方が別れて過ごすための工夫だったのですね。

「ギャラリーやコンセプトハウスなども見せてもらいながら、"こんな感じがいい""ここのデザインを取り入れたい"と、言いたい放題!実際に設計図を書いてもらってからは、私たちの予算に合わせて仕様を減らしたり、増やしたり、変えたり...ギリギリまでいろいろお願いしていましたよね」

そう話す奥さまに対して、kinotoのスタッフも「ヨガマットのサイズはどのぐらいか、何名ぐらいでレッスンしたいのかといろいろお聞きしましたよね。それから、僕の方から直接ご提案した部分もありますよ。ウッドデッキに外から出入りできる階段を付けるのはどうかとか、エアコンを格子で隠したいなら、壁部分を収納にしましょうとか......」と、答えます。

当時を思い返しているだけで、Sさま一家もkinotoのスタッフも自然と笑顔に。家づくりが楽しい時間であったことが伝わってきます。何度も話し合って信頼を深めたからこそ、完成後もこうやって訪問したり、相談したりできる関係が築けているのですね。

収納まで考え抜いた設計が、空間美を生みだす秘訣。

どこに視線を移しても、余計なものが見当たらないSさま一家の洗練された家。持ち前のセンスはもちろん、ヒアリング時に収納事情についてしっかり話し合ったことも、美しさの秘訣につながっているようです。

「既にあるものや、これから増えるであろうものの予想を伝えた上で収納スペースをつくってもらったから、新たに棚やタンスを買う必要がまったくないんですよ」と、ご主人。

イレギュラーにものが増えたときは、ひとまず玄関先にある土間へ収納することが多いのだとか。土間を定期的に片付けることで、ものの増えすぎを抑えているそうです。

自然素材に60年代テイストのインテリア。それが、空間のほどよいスパイスに。

「仕事で仕入れたアイテムを自宅でも使うことが多いんですよね。キッチンカウンターにあるイスや、階段に飾ってあるアートもそのひとつ。落ち着いた風合いのインテリアを心がけているんですけど」と、ご主人。

しかし、kinotoの自然を活かした空間に垣間見えるアイコニックな色合いは、インテリアの程よいスパイスになっているようにも感じます。

食事を楽しんでいるとき、階段を登るとき、ヨガをしているとき......日々のさまざまなシーンで、心地いい刺激を与えてくれそうです。

続いて、キッチンをのぞかせてもらいました。広さはダイニングと同じぐらい。冷蔵庫を置くスペースを柱に、ぐるりと一周できる設計になっています。広々と使える上に、奥には奥さま専用の作業スペースも。料理の合間に、デスク作業をサクッとこなせそうです。

「1階は吹き抜けと開口式の窓があるので十分明るいんですが、キッチンの奥はどうしても暗くなってしまいがち。窓を多くして外からの光を入れ込むようにしています。また、カウンターの天井部分を2階のワークスペースとつなげて小さい吹き抜けにしたので、そこからも太陽の光が入ってくるんです。ほどよい明るさと、2階にいても会話ができる距離感の両立を目指しました」と、kinotoのスタッフ。

キッチンの向かいにあるカウンターデスクは、家族3人で食事するのはもちろん、いろんな用途に使えるよう、あえて奥行きを長くしたそうです。

「ダイニングテーブルを置かないことや、それ以外のライフスタイルもいろいろお伺いしていたので、さまざまなシーンを想定してこのサイズにしました。イスの高さとも合うように設計しています」

ヒアリングの時間をたっぷりと取ったからこそ伝わる、日々の暮らしの細かいニーズ。暮らしてみてはじめて伝わる繊細な工夫は、お見事!の一言です。

外と中をつなぐ開放感の演出が、日々の暮らしをさらに気持ちよく。

道路に面したウッドデッキは、リビングと地続き。広くて開放感に溢れたこのスペースは、奥さまたっての希望なのだそう。

「家を建てるならウッデッキが欲しいとずっと思っていました。リビングの窓は、開けるとすべて壁の中に収納できるようになっているんですよ。段差がないから気軽に行き来できるし、とても気に入っています」と奥さま。

掘りごたつのようになっているスペースにちょこんと座ると、家の敷地内にいるとは思えないほど心地いい風が流れます。

ちなみに、この椅子の一部に使用しているのは、ご主人が経営されていたショップの木材。

「数年前に完全にネット販売へと切り替えたんです。ショップで使っていた木を何かに使えないかと相談したら、こんな風に活用してもらえました。思い出が新しい家になってくれるのは、いいものですね」と、ご主人。

娘さんは、よくここに座って宿題をしているそうです。自分の部屋が欲しいとは言っていたものの、学校から帰ってきた後は1階で過ごす時間の方が多いのだとか。

実は、こうした"家族が自然と同じ空間に集まる設計"こそ、kinotoが得意とする技。リビングや廊下などのちょっとしたスペースを使って宿題や作業がしやすい場所を生み出し、家族が同じ空間で過ごす工夫を凝らしているのです。

家族の暮らしと、人とのつながり。どちらも叶えた空間で、新しい生活を。

「まだ住み始めて数ヶ月ですが、とても居心地がいいですね」とSさま一家。ヨガレッスンを受講する方々やご夫婦の友人、娘さんの同級生など、人が集まる機会も多いこの家では、誰もが気持ちよさそうに過ごしているのだとか。

これから、どんな暮らしの色に染めていくのかがとても気になるSさま一家の家。最後に、奥さまにヨガを披露していただきました。

自宅での少人数レッスンをはじめ、オンラインでも教室を開催されているそう。みなさまもぜひ、機会があれば体験してみてください。

今回インタビューにご協力いただいたSさま邸・奥さまが運営されています。

YOGAアドバイザー MIKO

宝塚、中山寺の住宅街に佇む無垢の木で建てられた少人数制ヨガスタジオ。その扉をひらけば、きっと心も体もリラックスして暖かくヨガを体験できます。素足に木のぬくもりを感じて、自分のためだけの特別な時間を。

  • 場所:阪急〝中山観音〟駅 徒歩10分
  • スタジオレッスンのほか、
    オンラインレッスンもございます

mysoreTK 公式サイト

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今回インタビューにご協力いただいたSさま邸・ご主人が運営されています。

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選りすぐりの60年代・70年代を中心としたヴィンテージ雑貨をオンラインにて販売しております。入荷情報は随時更新中!

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