Interview

002. 夫婦も、子どもも、猫も...... 家族の快適が詰まった家

京都市内のマンションから、旦那さまのご実家がある奈良県大和郡山市内へと引っ越してきたNさま一家。ご実家の敷地内を利用して建てた家は、真っ白な外壁が印象的です。夫婦2人と生まれたばかりの娘さん、猫2匹で暮らす家族の日常をのぞかせていただきました。

家族の理想がそのまま「かたち」に。プロの工夫が暮らしやすさに。

「すぐ隣が僕の実家なんです。京都に住んでいた頃から、いずれはここに戻ってこようとは考えていて。年齢や時期的にも、丁度いいタイミングだと思い、家を建てることに決めました」と、話しはじめてくださったのはご主人です。

「最初は、奈良県内にある工務店や大手のハウスメーカーまで、いろいろと見てまわっていたそうです。数ある選択肢の中からkinotoに惹かれた理由は、デザインへのこだわりや、「This is NORMAL.」という日常を大切にするコンセプトに共感したからだとか。

「kinotoは第一印象からすごく良かったんですよね。初回の打ち合わせで、"絶対ここにお願いしたい!"と感じたんです」と話すご主人に続けて、奥さまも当時の様子を振りかえります。

「私たちの話を聞きながら、設計士さんが即興で間取りを描いてくれたんですよ。土地の広さやこちらの要望などを伝えていくたびに、間取りが具体的になっていって......。"キッチンはどこになるのかな""私たちの声がこんな風に反映されるんだ""玄関、そうきたか!"などと、ワクワクしながら眺めていたのを覚えています」

完成した間取りは予想を遙かに超え、理想に限りなく近いものに。「とてもいい驚きをもらいました」と、2人とも嬉しそうに語ってくださいました。

空間の役割をしっかりと区切り、生活のリズムをスムーズに。

家の中を拝見していると、まず目に留まったのは玄関が2つあること。その理由を尋ねてみると、1つはお客さまをお迎えするためのもの。もう1つは、家族の生活をより快適にするためにつくったものなんだそう。

「家族専用の玄関は、いわゆる勝手口ですね。土間を広めに設けているので、ベビーカーを置いたり、僕のアウトドアグッズを収納したりできるようになっています。上着をかけるスペースもあるので、帰宅してすぐにコートが脱げるのもラクですね」と、ご主人。

"山登りが趣味""靴が好き"という2人の言葉通り、棚にはたくさんの靴や大きなリュックがきれいに並んでいました。

土間を上がれば、キッチンとパントリー、ご主人の書斎にそれぞれ直行できる設計になっています。気兼ねなく私物を置くことができるのも、玄関から直接家族の空間に行けるのも、家族専用の玄関ならではです。

毎日の暮らす場所だからこそ、ぬくもりを大切に。

さらに気になるのは、1階にあるリビングの開放感。庭の景色が一望できる大きな窓...... 2階にある窓の光までやさしく取り入れてくれる吹き抜け...... 天井や柱、梁から伝わってくる木の温もり...... 白や無垢材のやさしい色味で統一された家具や小物の雰囲気など、ほっと一息つける空間が広がっています。

窓から見える立派な木は、家族が代々育てているという梅の木。季節に合わせて移ろいでいく景色を眺めていると、心がとても落ち着くそうです。

「以前とは比べものにならないほど家の中が明るくなりましたね。1日中太陽の光が差し込むように設計してもらったので、よくリビングで娘と一緒に寝転がったりしています」とご主人。

「そうそう、うちは照明などのスイッチが一般的なものよりも低い位置に付いているんですよ」と教えてくれたのは奥さま。

「余計なものを視界に入れないことで、より落ち着く空間になると教わったんです。他にも、カーテンのフレームが見えない設計にしてもらうなど、本当に細かなところまでアドバイスをくれるので、とても助かりました」

家族の日常をかたちづくる家だからこそ、快適さを邪魔せず、感性を高めるような提案をしていく...... そんなkinotoのこだわりが、さまざまなところで見え隠れしています。

配色の統一感や配置への気配りが、収納のコツ。

「うちの食器棚は、結婚するときに私の両親が買ってくれたものなんですよ。たくさんものが入るので気に入っていますが、他の家具よりも色合いが濃く、重たい印象になってしまうので、なるべく調和を崩さない場所に配置しています」と、教えてくれた奥さま。確かに、パントリーに置かれた食器棚は、リビングからは見えにくい設計になっています。

奥さまに促されてパントリーを拝見すると、食器や小物が丁寧に収納されていました。きちんと分類されたこのスペースを見るだけで、奥さまが収納上手であることが覗えます。そこで、収納の秘訣を聞いてみると......

「SNSを見て参考になりそうなアイデアを集めたりもしますが、基本はものを増やさないことですね。新しものを買ったら、何かを処分するようにしています。とは言え、最近はこの子のものが結構増えちゃって......」と、娘さんを見つめながら答えてくれました。

2匹の猫も、快適に暮らせるように。

Nさま夫婦と2匹の猫とは、娘さんがこの家で生まれる前からの長いお付き合い。間取りを決めるときも、"猫のいる暮らし"はかなり意識していたそうです。

「自分たちはもちろん、猫にとっても快適に過ごせるものがいいと考えていました。2階に大きな出窓をつくったのも、猫が外の景色を眺められたらいいだろうなと思ったのがきっかけ。実際、よくあそこから外の様子を観察していますね」とご主人。

それだけではありません。階段下の空間を利用した小さなスペース。一見、収納スペースにも見えるこの空間も、猫のためにつくったものなんだとか。

「両側が猫のトイレスペースになっています。扉についている小さな穴は専用の出入り口。引き戸は鍵がかけられるので、ケージとしても使えるんです。孔子状にしたのは圧迫感を感じさせないためなんですが、その幅にもかなりこだわりましたね。猫が絶対に出られないギリギリのサイズになるよう、何度も計ってもらっています」

中に換気扇や小窓があるので、においもまったく気にならないとのこと。

また、開放感を出すため、あえて天井の梁を見せる設計にしたところ、そこも猫のお気に入りスペースになっているそうです。梁によじ登って寛いでいることも多いらしく、「2匹とも楽しそうで何よりです」と語ってくださいました。

子どもの成長に合わせて、調整できる2階の空間。

夫婦2人の日常の中心になっているというのが、もうすぐ1歳を迎える娘さん。彼女が大きくなってからのことも、きちんと考えられた設計になっていました。

「2階にある子ども部屋は、真ん中で将来仕切れる設計にしてもらっているんですよね。この先、家族がふえてもそれぞれ個室が持てるようになっています。今はまだ小さいので、部屋をほしがるのはもっと先の話になると思いますが」とご主人。

子ども部屋のすぐ前の廊下スペースには、広々としたスタディコーナーが。これなら遊びと勉強がしっかりと両立できそうですし、大人も子どもも関係なく使えそうです。

「今は、娘の成長がとにかく楽しみなんですよね」と話すNさま一家の新しい暮らしは、まだはじまったばかり。子どもの成長を見守りながら、家族の絆をもっともっと深めていきたいと、笑顔で話してくださいました。