007. 地域とのつながりを深めてくれる、開放感のある家
大通りを抜けて、小さな道路を少し奥に入ると見えてくる、大きな屋根と煙突が特徴的な家。今回お話を伺った、Mさま一家のお住まいです。生まれも育ちも、ずっと京田辺市だと話す奥さまと、京都市内出身だというご主人、やんちゃ盛りの息子さん2人が暮らす家におじゃまして、家づくりの過程や今の暮らしについて聞きます。
仕切りや扉は最低限に。そのシンプルさが、空間の広さに。
家の中に入り、まず圧倒されたのはその広さ。リビング、和室、キッチン、2階の子ども部屋......どの部屋も壁や扉で区切られていないからか、まるで、「ひとつの大きな部屋」が広がっているように感じられます。
「寝室以外は基本的にぜんぶつながっていますね。うちは天井に梁がない設計になっているので、それがさらに広く感じるんですよ。和室とダイニングも引き戸で仕切れるようにはなっているんですが、基本は開けっ放しにしています」
家の周りを囲うように設けられた庭をはじめ、周辺の景色や遠くの山々まで一望できるリビングの大きな窓も、広さを感じる理由のよう。広大な景色を眺めながら、家づくりに関するエピソードを伺います。
「もともと、僕たち家族は妻の実家に住んでいたんです」と教えてくださったのはご主人。お子さんが生まれたのを機に、家を建てようという話になったそうです。
「この土地を選んだのは、歩いてすぐの場所に妻の実家があるし、学校や幼稚園も目の前にあるので暮らしやすいなと思ったからですね。もともとは雑木林だったんですよ」
2人とも、昔ながらの和の雰囲気がある家ですくすくと育ったそうで、最初から自然素材を活かした家に住みたいと考えていたのだとか。
「無垢の床で、裸足で走り回る子どもたちの姿を想像したんですよね。僕たちが子ども時代に過ごしたときと同じような環境を、子どもたちにも与えてあげたいと思いました」
数ある工務店やメーカーの中からkinotoを選んだのも、2人とってはとても自然な流れだったと教えてくれました。
「kinotoは、SNSやWEBで見たどの家もすごく印象が良くて、お願いすることに何の不安もなかったですね。設計図を提案してもらったときも、これでいこうよと即決したほど。なんでしょう、他のどこにも存在しないような個性がしっかりと確立されているんですよ」と、ご主人。
「最初に見せてもらった設計図は、一目で気に入りました。長屋を思わせるような外観がとても素敵で。それに間取りからは、私たちの暮らしについてしっかりと考えてくれたことが、とてもよく伝わってきたんです」と、奥さま。
「例えば、玄関と駐車場スペースがひと続きになっているところ。屋根があるので雨の日でも荷物の出し入れがしやすいですし、子どもが寝てしまったときも抱っこしてすぐに家の中に入れるのですごく便利なんです」
「冬場はほとんど薪ストーブをつかっているので出番が少ないんですが、エアコンを設置するスペースが壁の奥にあるんですよ。ここ、木の格子でうまく隠せるようになっているんです。エアコンの風がしっかりと部屋中に行き渡るし、家全体の印象を損なわない造りになっているので、提案されたときは驚きましたね。すごいな!と」
2人とも、kinotoの提案で印象に残っているところを次々に教えてくれます。
「これは私から"できませんか?"とお願いしたんですが、庭から玄関へと上がる階段スペースに、息子の足型をつけてもらったんですよ。何か、カタチに残せるものがほしいなと思って。足型を見るたびにほっこりした気分になれるのが嬉しいんですよね」
と、心温まるエピソードも話してくれました。ちょこんとついた小さな足型は、訪れる人の心までほっこりさせてくれそうです。
どんな理想も自由自在。広い庭で、家族の時間も充実。
360度を庭に囲まれた造りになっているMさま一家の家。リビングの窓を開ければ、ウッドデッキを伝って直接庭へ出られるようになっています。そのまま反対側へと進むと、駐車スペースと物置、そして家族4人暮らしにちょうどいいサイズの家庭菜園スペースまでありました。
「kinotoでは、家の設計図を決める前にまず土地を見に行くんですよね。住みたい家の条件と土地の条件を照らしあわせながら、最適なカタチを汲み取っていくんです」と、kinotoの担当者。
なるほど、周囲の状況を見極めて設計図を書き起こすから、地域と調和した家が完成するのですね。太陽との角度もしっかりと考えた造りになっているから、1日中過ごしやすい光が部屋の中に入ってきてくれるそうです。
「庭はすっかり子どもたちの遊び場になっていますね。このあたりはご近所のみなさんともほとんど顔見知りですし、家の中から外の様子も見えるのでいつも自由に遊ばせています。兄弟で走り回ったり、虫を捕まえたり......」と、奥さま。
「庭に薪置き場があるんですが、その薪を使って魚や肉を炭火焼きにして食べたりもするんですよ。外で食べるのが気持ちよくて、チャンスがあればピザ釜を置きたいと思っているんです」と、ご主人も続きます。
普段から料理をするのが好きらしく、日頃から家族や友人にその腕を振る舞っているのだとか。
「私は、ひまわりを庭一面に植えたいなと思っているんですけどね。それぞれやりたいことがあるので、相談しながら決めていければなと考えています」と、奥さまも庭に対する理想を教えてくれました。これだけの広さなら、どちらの想いも実現できそうです。
作業スペースにこだわったキッチンは、どんな料理もお手の物。
料理がお好きだというだけあって、キッチンはかなり本格的です。
「キッチンはこだわっていますね。作業台を広くしたくて、シンクとコンロの距離を極力離して欲しいとお願いしたんです。天板もいろいろサンプルを見せてもらった中で、いちばん気に入ったものを入れてもらっています」と、ご主人。
奥さまによると、ご主人は日常的なものはもちろん、凝った料理に挑戦してくれる日も多いのだとか。確かに、収納スペースもたっぷりあり、さまざまな具材を一度に並べられるこの広さのキッチンなら、どんなジャンルのレシピにも挑戦しやすそうです。
「共働きなので、平日は家族で過ごす時間も限られてしまいがち。でも、キッチンの目の前にダイニングがあると、料理しながら、洗いものをしながらでも会話できるのでありがたいですね」
動きやすさにこだわった洗面スペースで、忙しい朝もスムーズに。
「朝はみんなバタバタと慌ただしいので、なるべく混雑せずスムーズに事を進めたい!と思って。洗面スペースも広めにしてもらっています」と、奥さま。
「家族4人同じような生活サイクルなので、みんな一斉に洗面スペースで歯を磨いたり、顔を洗ったりするんですよ。その間に洗濯もしなくちゃですし。でも、空間を広くしてもらったおかげで、並んで作業をしても窮屈に感じないんです」
こだわりの洗面スペースは、キッチン、バスルームを自由に行き来できる設計になっていて、その動線の良さも、日々の暮らしをスムーズにしてくれるそうです。
「キッチンは玄関スペースの奥にある土間ともつながっています。ちょっとした物をすぐに取り出せるし、ほどよくプライバシーも守られた設計になっているのがありがたいですね」
家全体を見渡せる2階は、子どもたちのための空間に。
2階スペースは今のところ1部屋のみですが、仕切れば2部屋としても使えるようになっています。こちらは、いずれ2人の息子さんの個室として使うことを想定されているそう。
「今はまだ、大きなおもちゃを置いてある程度ですけどね。2階はリビングから階段を上る設計にしてもらったんですが、これなら必ず家族と顔をあわせることができるんですよ」と、奥さま。
「まだ小さいから僕たちはあまり想像していませんでしたが、kinotoは息子が年頃になったときのことも想定しながら設計してくれたんです。"難しい年頃になってからも、必ず顔をあわせられる"と言われて、確かになと」
また、2階の部屋は奥の方にいけば1階から何をしているかまでは見えないようになっていました。これなら、自分だけの空間と家族のつながりを両方とも大事にできそうです。
「2階から1階を見渡すと、屋根のカタチも相まって実際よりもさらに奥行きがあるように感じるんですよ。ここからの景色が僕はとても好きで」と、ご主人に言われて同じ場所に立ってみたところ、とても爽快な気分が味わえました。
どんな暮らしも受け入れてくれる、優しい空気がここにはある。
お話を聞いている間に、息子さんたちが奥さまの実家から帰ってきたり、親戚の方がお裾分けを持ってきてくれたりと、たくさんの人が訪れていたMさま一家の家。
「私は生まれてからずっとこの地域で暮らしてきましたが、本当に住みやすい場所だと思いますね。社交的な人が多くて、地域のイベントも盛んですし。主人は結婚してからここに移り住みましたが、馴染むのも早かったですよ」と、奥さま。
「面白い人が多いですね。妻の親戚も多く、よくしてもらっています」と、ご主人も。
お休みの日は友人や親戚を呼ぶことも多いと話すMさま一家。何組もの家族が集まる日は庭が駐車場代わりになって丁度いいと、嬉しそうに笑いながら教えてくれました。
「住宅が密集しているわけではないので、人が大勢集まったり、バーベキューしたりしていても気兼ねがないのがいいですね。ほどよい距離感で暮らしていけるので、今の日々がとても気に入っています」
テレワークなどの普及で、都心部からの移住などを考えている人も多い昨今。そうした人たちにとっても、心強い言葉です。
長屋のような、古風な雰囲気を感じさせつつも、家族の要望をきちんと叶えたMさま一家の家。家族4人で楽しく暮らしながら、たくさんの人たちとの絆を深めている様子を知ることができました。